色彩の扱いについて

 色彩には様々な理論体系がありますが、私が色彩を扱う上での基盤としているものはヘリングの反対色説です。「ドイツの心理学者ヘリングは、それぞれ共通点がない青・緑・黄・赤の色相を四原色とし、それぞれの反対色が残像(補色残像)を生みだすことであらゆる色を認識できるとしている(ヘリングの反対色説)」と言われていますが、このヘリングの反対色説をもとに作成した8色の色相環を色彩を扱う上での出発点としています。

この説を採択するに至った理由は心理的な補色をもとに構成されているということと、8色が基になっているということが大きな要素になっています。八という数が身体と色彩を関連づけて考えて行く上でとても利便性が高いのです。人の歯は小児で5本×4=20本、成人で8本×4=32本になります。この5は肝心脾肺腎の五臓と関連しており、またそれに気血水の三要素を加えますと8になります。これによりカラーという感覚的に認知のできるツールを使って世界三大伝統医学の統合が可能になります。いきなり伝統医学の話しが始まり面食らった方もおられると思いますが、これはとても重要な要素になっています。

さて、では他の色はこのブログでは取り上げないのかというとそういうことではありません。色彩を扱う上での基本色として上記の8色をもとにお話しを展開してゆきたいと考えています。

ただし、白、灰、黒の無彩色については有彩色とは意味合いがことなってきます。これらはそれぞれの色相に陰陽の度合いを加味する働きを有するものとして考えています。これにより色彩にはトーンが生まれます。明暗と彩りを合わせた色の調子(トーン)の世界になります。これについては拙書「こころの地図」で詳しく触れていますので、参考にしていただければと思います。

さて、それではそろそろ青系の色からお話しを進めてゆくことにしますか。次へ

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